ドイツ古典フルレンジユニット
ドイツ古典フルレンジユニット
Telefunken 20cmフルレンジユニット
同社Opusシリーズの大型ラジオ、コンソールに多用されたユニットで、この時代のドイツの情感を伝えてくれる代表的ユニットと言えばこれでしょう。
弾むような低音にクリアな中域と少し華やかな高域を乗せ、
どこまでも楽しく音楽を聴かせてくれます。
特性の暴れが上手く高域のレンジ感に結びついている一面がありますため、
単体で十分楽しめるユニットである反面、ツィータの追加で大幅にグレードアップいたします。特に弦楽の倍音の豊かさ、艶等が顕著に改善され、どなたにも安心してお勧めできるシステムになります。
SABA 22cmフルレンジユニット Permadyn25
ほぼ20cm口径ながら一回り大きいSABA製のユニットです。
帯域バランスが実に巧みで、 造り手のセンスと技術の高さをうかがい知ることができる HiFi指向の正統派ユニットです。
ハッタリの無い落ち着いた雰囲気の再生音は、
小編成のジャズや男性ボーカルにマッチするかと思いますが、
クラシックでしたらピアノソロもありだと思います。
SABA(Schwarzwälder Apparate-Bau-Anstalt)社は現存しませんが、
Telefunkenの対向メーカーとして一時代を画した総合電機メーカーです。
ローレンツ(Lorenz) 20cmフルレンジユニット
下手なツィータなら付けない方が良いくらいよく伸びて歪の少ない高域を持ち、それが躍動感溢れる中低域と見事に一体化しています。
ヴィンテージの味わいは薄いかも知れませんが、
音源を選ばないオールマイティなユニットで、
この時代のフルレンジユニットの最高傑作の一つでしょう。
ラーヴェオプタ(LoeweOpta) 20cmフルレンジユニット
ややプレスの効いたコーン紙による張りのある明晰な鳴りっぷりが特徴です。中域を基軸とする表現のためレンジ感は今ひとつですが、その分、弦楽の切れ込み感や、金管の輝き、ピアノのアタック感等が小気味よく出るユニットかと思います。
勿論レンジ感についてはツィータの追加で改善されますので、
最終的なシステムの完成度は他の兄弟銘柄(Graetz、 Telefunken 、 Grundig、 等々)に全く引けを取りません。
グルンディヒ(Grundig) 20cmフルレンジユニット
ベークダンパならではの硬質でハイスピードな音のユニットです。
帯域は上下に若干狭い傾向がありますので、これをセッテイングで補う工夫が求められます。具体的には、高音をよく反射する硬質の壁面(窓ガラス等)を背にすることや、 部屋のコーナー近くに配置して低音を増強すること、等の工夫になります。
鳴らすのが難しいユニットではありますが、
セッテイングが決まった時には背面音を最大限に利用した後面開放キャビネットの理想形が完成しています。
特にピアノ曲などでは、他のシステムでは得られない生々しい説得力や典雅な余韻表現が可能です。
1950年代のドイツ製フルレンジは、
超軽量コーンを強力アルニコマグネットでドライブ。
96〜97dB/W/mの高能率を得ています。
コーンの実効質量は、何と5〜6g!
(fostex FE203等の代表的な軽量ユニットに比べても半分以下です)
*この時代のユニットは同一モデルでもロットの違いによるバリエーションがございます。磁石、フレーム形状等が写真の物と一致しない場合がございますが予めご了承ください。同一品質基準、同一工場で生産されたコーン紙の優秀性は、全てのユニットに共通です。
声、木管がリアルなことは、ドイツヴィンテージユニットに共通の特徴と思いますので、以下の個別ユニットの説明では省略させて頂きました。
Telefunken 楕円フルレンジユニット
背面放射音が華やかな傾向がありますので、後面開放キャビネットに用いるにはデッドニング等のチューニングが必要ですが、
コーンの材質、面積が同じなので最終的には円形20cmユニットと同じ音色傾向にまとめることが可能です。
ツィータの追加で本領発揮となるのも同じです。
円形20cmユニットより新しい時代のものなので全般に保存状態がよいのも利点かと思います。
グレーツ(Graetz) 20cmフルレンジユニット
コルゲーション補強されたコーン紙にNT4クラスの大型マグネットを組み合わせた強力ユニットです。
中域以下に厚みがありチェロのゴリッとしたところの表現などは秀逸です。
高域は出ませんが元々低域がよく伸びていますので、アドオンツィータとの組み合わせで最もワイドレンジなシステムが完成します。
フルオケ再生も迫力十分です。
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